タイズプレゼンテーション

夢中の深層~インタビュアー川邊健太郎~

第一回 大木聖子さん 地震はいつ起きたっていい、という発想の転換のススメ

「すごい!地球は生きている」

地震に取り憑かれた少女は、やがて夢を叶えて学者となり、自らの無力さにさいなまれ、歯がゆさや悔しさと日々向き合いながら、いつでもどこでも起こりうる地震にどう備えるかを訴え続けています。

第1回ゲスト、地震学者・大木聖子さんの『夢中の深層』に、インタビュアー川邊健太郎が迫ります。

大木聖子さんプロフィール

慶應義塾大学環境情報学部(SFC)准教授。
専門は地震学、災害情報、防災教育等。
2001年、北海道大学理学部地球惑星科学科を卒業。
2006年、東京大学大学院理学系研究科にて博士号を取得後、カリフォルニア大学サンディエゴ校スクリプス海洋学研究所にて日本学術振興会海外特別研究員。
2008年より東京大学地震研究所助教。2013年より現職。

「机がないじゃないか!」「学校の避難訓練はおかしい!」と思った小3の思い出

川邊:今、一番夢中になっているご自身の最新の研究は何ですか?

大木:防災教育に力を入れていて、防災という分野をきちんと学問にしたいと思ってます。

川邊:現状では、防災は何の範疇なんですか?

大木:今は、地震学者がちょっと地震の事を説明して防災と言ったり、心理学者が災害時の人の動きを説明して防災と言ったり、そういう曖昧な分野なんですよね。

川邊:何故、防災に力を入れようと思われたんですか?

大木:小学3年生の時にあった千葉県東方沖地震の体験を思い出したんです。ちょうど体育の授業中で、跳び箱のマットを運んでいたんですよ。当時の震度で5、今だと5強だったと思うんですが、すごく揺れました。
私、その時に「机がないじゃないか!」って思ったんです。学校の避難訓練は、いつも机のある環境で机の下に入るという訓練ですよね。そんな訓練はおかしいなと感じました。

川邊:小学3年生で凄い問題意識ですね。

大木:それを防災教育をやるようになった時に思い出したんです。そういえばあの時そうだったなって。それで今はいろんな部屋で出来るような訓練をパッケージにして、学校でやってもらっています。

歌って踊る避難訓練 小さく丸まって両手で頭を守る!ダンゴムシのポーズ

川邊:ちなみに体育の時に地震があったら、どうすればいいんですか?

大木:よく真ん中に集まってしゃがむように教えられるんですが、強い揺れの時は動けないんですね。なので、その場でダンゴムシのポーズをするように教えています。

川邊:小さく丸まって、両手で頭を守れと。それはだいぶ取り入れられてるんですか?

大木:机のない環境でのダンゴムシのポーズはかなり取り入れられています。今まで幼稚園での避難訓練は、あまり実施されてこなかったんですが、ダンゴムシの歌というのを作って、楽しく踊りながら覚えられるよう工夫しています。

川邊:子どもたちは楽しく踊ってるだけなんだけど、それが理にかなってると。

大木:はい。ダンゴムシって言うと、みんな条件反射でダンゴムシのポーズになります。

川邊:すごいですね。小学生の頃におかしいなと思ったことを20年以上の歳月を経て、全国に取り入れさせた。

高校時代の愛読誌は『ニュートン』

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