川邊:今、一番夢中になっているご自身の最新の研究は何ですか?
大木:防災教育に力を入れていて、防災という分野をきちんと学問にしたいと思ってます。
川邊:現状では、防災は何の範疇なんですか?
大木:今は、地震学者がちょっと地震の事を説明して防災と言ったり、心理学者が災害時の人の動きを説明して防災と言ったり、そういう曖昧な分野なんですよね。
川邊:何故、防災に力を入れようと思われたんですか?
大木:小学3年生の時にあった千葉県東方沖地震の体験を思い出したんです。ちょうど体育の授業中で、跳び箱のマットを運んでいたんですよ。当時の震度で5、今だと5強だったと思うんですが、すごく揺れました。
私、その時に「机がないじゃないか!」って思ったんです。学校の避難訓練は、いつも机のある環境で机の下に入るという訓練ですよね。そんな訓練はおかしいなと感じました。
川邊:小学3年生で凄い問題意識ですね。
大木:それを防災教育をやるようになった時に思い出したんです。そういえばあの時そうだったなって。それで今はいろんな部屋で出来るような訓練をパッケージにして、学校でやってもらっています。