川邊:今日はアリの通販専門店「AntRoom」代表の、島田拓さんにお越しいただいております。よろしくお願いします。
島田:よろしくお願いします。
川邊:アリの通販専門店というのは、世界で唯一ですか?
島田:いえ、世界で見ると結構あります。特にドイツでは、アリをペットとして飼うという習慣が昔からありまして、アリ専門店があります。
川邊:ドイツには結構、アリの愛好家がいるんですね。
島田:海外だと愛好家がいるんですけど、日本だと僕がこの仕事を始めたのが2001年からなんですけど、当時はアリをペットとして飼うなんていう人たちは、まったくいなかったんですよ。そこからスタートしまして、いまでは16、7年やってるんですけど。年々、日本に広まってきていて、アリを通販で販売する人たちが、少しずつ現れはじめています。
川邊:ペットの通販をしている中に、アリのコーナーがあるという感じなんですか?
島田:アリだけを通販している人も、最近少しずつ出ています。徐々に日本でも「アリを飼う」というのが広まってきているということを実感しています。
川邊:これはなんですか?
島田:これは、僕が手作りしているアリの飼育セットで「蟻マシーン」という名前の人工的なアリの巣です。粘土でアリの巣を作って、そこに石膏を流し込んで固めているので。初めから巣が出来上がっているんですよ。アリにとって居心地の良い空間を提供して、こちらに住んでもらっているという物です。
川邊:アリは自分が掘った巣でなくても、そこが良ければ住んでしまうものなんですか?
島田:そうです。アリが生きていくのに一番大切なのが、水分なんです。石膏というのは、水を吸い込む性質がありまして。マシーンの裏に穴が空いているんですけど、2、3ヶ月に1回、裏の穴から水を流し込むんですよ。そうすると石膏が水を蓄えるんですよ。蓄えることで、空間の湿度が土の中と同じようになるんですよ。湿度さえあれば、自分で巣穴を掘らなくても、こういった環境で長く住むことができるんですよ。