タイズプレゼンテーション

夢中の深層~インタビュアー川邊健太郎~

第九回 島田拓さん "アリ"を販売して家族を養う男

本来、見られない生き物の姿こそ面白い!

川邊:どうして独立にエスカレートしていくんですか。

島田:その頃からとにかく、アリが好きというのは変わらずにいて。アリのインターネットでの紹介も、当時からやっていたんですね。年々、アリの興味を持ってくれる人が増えていて、アリの発送の方が忙しくなってきてしまったんですよ。忙しくなってきたし、なにより自分のいちばん好きなアリなのでペットショップを思いきってやめて。いまはアリに囲まれた幸せな生活をしています。

川邊:独立してある程度、順調に事業は大きくなっていったんですか。

島田:アリを飼う方は増えています。アリって巣の中の観察が本当に楽しくて。この小さなケースの中に、一つの社会があるんですよ。仲間同士でいろんな会話をしているんですね。人間のような言葉ではないんですけど、動きとか匂いとか音とかを使って、仲間同士でコミュニケーションをとっているんですよ。

川邊:そうですよね。エサの場所とか教えないといけないですよね。

島田:最初にエサを見つけたアリは、お腹に貯めて持ち帰って、それをできるだけ多くのアリに伝えるんですよ。こんなエサあったよって。そうすると巣の中で知らされたアリは、そのエサ場まで歩いて出て来るんですよ。そういう会話をしたりっていうのはたくさんしていて。

川邊:フェロモンみたいなのを出しているんですか。

島田:そうです。例えばエサを見つけて、それが一匹では持ち帰れないくらい大きなエサだとすると、そのエサ場から巣まで、帰り道にずっと道しるべフェロモンというのを出しているんです。巣の中で仲間に知らせると、知らされたアリはフェロモンの匂いを辿りながら、エサ場まで行きます。それが繰り返されると、アリの行列とかができるんですけど。そういった会話をたくさんしていて。本来はこの部分って野生だと見えない部分なんですよ。

川邊:そうですよね。

島田:暗い土の中でやっていることなので、普通は見れないことなんですけど。僕はいろんな生き物を見ていて一番思うのは、本来見えない部分を見れたとき、自分が知らなかった発見ができたときの喜びというのが大きいんですね。いろんなことで共通すると思うんですけど、アリもまったく同じで。この部分というのは、絶対に屋外では見れなくて。たとえアリの巣を掘ったとしても、アリたちはパニックになって、巣の奥に行ってしまって、落ち着いた子育てとかを見ることができないんですよ。自宅のテーブルで、お茶飲みながらここで観察できるんですよ。それがなにより面白くて。テレビを観ているよりも、これを観ている方が面白いです。

川邊:なるほど。今、語ってくださったような魅力を伝えてユーザーを増やすには、インターネット通販という限られた空間で、どういう努力をなさっているんですか?

島田:毎日やっているのは、ブログの更新ですね。日々、アリの観察をして気づいたこととか。アリを飼育するときの注意点とか。いろんなことをずっとブログで紹介しているんですね。それも徐々に見てくれている人も増えてきて。それは毎日欠かさずやっています。

川邊:だんだん、そのブログを見て飼いたいと思ってくれる人が増えている。

島田:あとはアリが小さいので、この小さいアリをどれだけ美しく写真にして、ブログで紹介できるか。普通のカメラでアリを撮っても、なにしているかわからないじゃないですか。

川邊:そうですね。

島田:それをですね、アリの表情がハッキリ分かるくらいまで拡大して撮って。アリがなにをしているかっていう部分を紹介していますね。

近所の公園から海外まで…世界を飛び回るアリハンター

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