山田:ニューヨークからロサンゼルスに戻って、次の日はダンサーのヒロカさん。
内田:ジャネット・ジャクソンのツアーを一緒に回ったダンサーの方です。
川邊:そのあとは、いよいよコロンビアですか?
山田:コロンビアです。
川邊:ついにラーメン屋に!そのラーメン屋さんはどうやって知ったんですか?
山田:去年、広告の仕事をした時にコロンビアに行く機会があって、その時の通訳でありボディガードでありコーディネーターでありっていう、常に僕の横にいてくれた人で。秋山さんという方なんですけど、すごく感じの良い人で、何よりコロンビアでラーメン屋をやっているっていうのは面白いじゃないですか。
川邊:面白い。
山田:俺らもコロンビアにラーメン食いに行くっていう、なんでそこまで行ってラーメンなんだよって。
川邊:壮大ですよね。それで食べた?
内田:食べてきました。
山田:食べて、ラーメン屋でインタビューしている時…。
内田:ガードマン、立っていたよね。
山田:防弾チョッキを着たガードマンを雇ってくれて、ラーメン屋の前に立っているんですよ。インタビューしているだけなのに。やっぱり僕らのプロダクションの方がすごく心配していて、不安がっているということで。
川邊:念のため。
内田:気を使ってくれて。
山田:インタビューが終わったあと、街中をちょっと歩きつつイメージカットを撮ったりして、いろいろ回ったあとに「一番ヤバい場所を見てみたい」と言ったら、まずドライバーに拒否られたんだよね。
内田:拒否られた。
川邊:そこはヤダと。
山田:街の中心が一番ヤバいらしくて「ここのひとつ向こうが危ない」って言うから、「一瞬通るだけでいいから、その場所に行って欲しい」みたいな。
内田:そしたら「はぁ…」みたいな。「窓を開けて、撮っても良いですか?」って言ったら、「いや、たぶん盗られるとかはないけど、カメラだと思ったらバイクに乗って拳銃持って追いかけてくると思うんで。信号で止まっている時も貴重品を窓の近くに見せないでくれ」って。
川邊:怪しい人は実際いたんですか?
内田:怪しい人しかいなかったです。本当にヤバかったです。
山田:でも、一応撮りたいんで、信号の時は待機していて走り出したらバッと。もう怖かったよね。
内田:ここで車が止まったら、もう終わりだなっていう感じでした。
川邊:じゃあ、本当に映画のセットというか。
内田:建物があって、窓は全部ない。窓やドアは全部ない。
山田:車が走っている道路なのにゴミだらけで、ゴミを漁っている人がすごくいっぱいいて。舞っていたよね、ゴミが。
内田:人がいるんですけど、みんな路上でぶっ倒れていて。
山田:ダァーって並んでいて。何かヤバイ状態の人達が。
川邊:それは見たことない光景ですね。
山田:警官とか何人かいるんですよ。でも警官も、見て見ぬふり。だから意味がないんですよ。もう到達してその向こう側に行っちゃった人達だけが、死ぬほどいっぱいいるっていう。
川邊:コロンビアでそれを見て、肝を冷やしたわけですね。そのあとは?
山田:ロサンゼルスに戻りました。
内田:これ、戻るのが大変だったんです。コロンビアに入国したってことが、アメリカにとってはすごく喜ばしくないことらしくて、本当に嫌がられて。初めから決めてかかっているわけですよ。「こいつ絶対、何か悪いことしてきた」と。
山田:「おまえら、ドラッグ運んでんだろ」って。「いやいやいや、日本人だぜ俺ら」みたいな。
川邊:とにかくいじめられて。
山田:ロサンゼルスに戻って、そこからまた画変わりが欲しかったんで、今度は車でサンフランシスコまで行って。7時間半くらいかかったんですよ。車にずっと広角のカメラを載っけて。
内田:「J-POP SUMMIT」っていうのをプロデュースしているNEW PEOPLEっていう会社があるんですけど、そこの企画部の部長、実は自分の10年くらい前の現場マネージャーなんですよ。いろんなことがあって、体を壊して、泣く泣く退職したんですけど、そのあと何をしているのか全然わからなくて。何年かあとに、実は今サンフランシスコで頑張っているって。すごく好きなマネージャーだったんで、再会していろんな話を聞きたかったんです。
川邊:波乱万丈ですね。
内田:すごかったです。いろんなことに挑戦していて、いろんなことを経験していて。
山田:サンフランシスコでのインタビューが終わって、またそこから車でロサンゼルスに戻って、そこで旅は終わりかな。