川邊:SHOWROOMとしては、ちづるさんのようなアイドルが出てくることを、やっていきたいのか。バキバキの人が出てくる登竜門になりたいのか。どっちの考えなんですか?
前田:どちらかというと、前者なんですよね。SHOWROOMを知って、ダウンロードして、「コメント書きたいなっ」てなったら会員登録して、その後に、課金していくっていう流れがあると思うんですけど、そのユーザーがのめり込んでいく過程を“カスタマージャーニー”って言うんです。僕はその終着点は、演者になることだと思ってるんですよ。SHOWROOMのコアユーザーって、全部演者になってるんですよ。AKB48って、秋元康さんが選んだ300人だけがやれているわけですけど、1億3千万人全員AKB48じゃないですけど、全国民クリエイターの時代みたいなのが来ると思っているんですよね。その配信者って、演者と視聴者の境目が分からないっていう時代が来ると思っていまして。
川邊:そのビジョンで言うと、最先端ですよね。いまお話を伺っていても、そこの境目はないっていう。
前田:僕の仮説として、需要側のニーズってもっと多様なはずで、テレビは12個しかボタンがないから、合わせて最大公約数的なコンテンツを作るしかなかったんだけど…ちづるさんのオフ会は何人くらいいらっしゃるんでしたっけ?
ちづる:5〜6人とかです。
前田:毎回来る、濃い方がいると思うんですね。その方々にとっては、テレビをつけるよりも、ちづるさんの配信見ていた方が幸せ度が高い。その多様なニーズを満たしにいくことが出来るのが、ネットのいいところだと思っているので。まさにSHOWROOMはちづるさんにとって、ちづるさんのファンにとっては、ちづるさんの配信だったり余白だったり、ストーリーのところが、あらゆるコンテンツよりも上回って、楽しいと感じられるっていうことなんですけど。それって微妙にニーズって違う訳じゃないですか。それをミートしていくことが出来るのが、さっきの1億3千万人クリエイター時代のポイントだと思っているというか。もう少し、小さなコミュニティが無数に出来ているイメージですね。スナック街みたいな。
前田:「スナックって、常連さん抱えられて100人が限界だよね」と。スナック単体では、大きな規模感は出ないんですけど、それが1000とか集まれば、すごい規模になる。その中から、スターのスナックが出てきて、マスの世界に行くというのは、あり得ると思うんですけど。それは本当に、ちづるさんの考え次第というか、今後どうしていきたいかということによると思っていて。100人のスナックの常連客を幸せにすればいいんだという人もいれば、マスのおニャン子クラブみたいに、全国民全員が知っているという大スターになることが夢なのであれば、スナックの熱量をテコにして、もっと上に上がるためのアクションを取らないといけないと思っています。
ちづる:うん。
前田:それをいま、ちづるさんがやられていることだけでは、僕は次のステップには行けないと思っています。
川邊:もっと上に行く方向で言えばね。
前田:最大公約数的なコンテンツを求めている人の要素を突き詰めていかなければいけない。